綾野法律事務所

交通事故

1.交通事故事件の流れと特に注意すべきポイント

①交通事故の発生

<警察への届出>

交通事故を起こした車両の運転者には、事故内容を警察に届け出る義務が課されています(道路交通法第72条1項後段)。この届出義務は車両の運転者であれば被害者にも課されており、条文上は、届出義務に違反すると三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に付される可能性があります(道路交通法第119条10号)。また、事故内容を警察に届け出なかった場合、交通事故証明書を発行してもらうことができず、加害者から交通事故の存在そのものを否定されたり、保険会社から保険金の支払を拒まれたりする可能性が出てきます。このようなリスクを避けるためにも、警察への届出は必ずしておく必要があります。

<早急な受診>

交通事故により怪我をされた時は、必ず当日中又は翌日までに病院に行って医師の診察を受けるべきです。なぜならば、事故の発生から時間が経過した後で病院に行った場合、「その症状は交通事故とは関係がない。」と言われるリスクが高くなるからです。

②治療期間中

<健康保険又は労災保険を使いましょう>

病院で怪我の治療をされる際は、健康保険又は労災保険を使うべきです。その理由は、被害者側に過失がある事案や加害者が任意保険に加入していない事案では、健康保険又は労災保険を使用することにより、自由診療を選んだ場合と比較して最終的に手元に入ってくるお金が増える可能性があるからです(ここでは詳しい説明は割愛します)。この点、病院によっては「交通事故で健康保険は使えない。」と言ってくることがありますが、交通事故の怪我の治療に健康保険を使えないということはありません。

健康保険と労災保険とを比較した場合、自己負担分がない点等で労災保険の方がより優れているといえます。

<治療を打ち切ると言われた場合の対応>

交通事故の事件では通院が長引けば長引くほど賠償額が高額になる傾向があるため、保険会社は一定の治療期間が経過すると「治療を打ち切りにしてください。」と言ってくることがあります。
しかし、「治療を打ち切りにしてください。」という発言をそれほど重く受け止める必要はありません。なぜならば、仮に保険会社が治療費の支払を打ち切ったとしても、被害者が自ら治療費を出して治療を続けることはできますし、裁判所が治療の必要性と相当性を認めてくれれば打ち切り後の治療費の請求もできるからです。
保険会社が治療の打ち切りを言ってきたとしても、治療をいつまで続けるのかということは、基本的には主治医の判断に従うべきです。

<症状固定という概念について>

症状固定とは、怪我に対して一般的な治療を続けても改善が見込めない状態になることをいいます。
症状固定をすると、それ以降の治療は改善が見込めない治療と評価されますので、症状固定日以降に行われた治療に関しては原則として治療費を請求することができません。
症状固定の時点で治りきっていない症状がある場合は、当該症状を後遺障害として評価します。後遺障害があると認められた場合、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益という損害項目が追加で認められます。
問題は、いつの時点をもって症状固定の日と判断するのかですが、基本的には主治医の判断に従うべきです。少なくとも、保険会社が「症状固定をしているから治療を打ち切りにします。」と言ってきたからといって、直ちに治療を止めるべきということにはなりません。

③後遺障害の等級の認定

<後遺障害の等級とは>

後遺障害に関しては、自動車損害賠償保障法施行令という政令の別表第一、第二に計16種類の等級とその内容が定められています(別表第一には1級と2級が、別表第二には1級から14級が定められています)。
そして、後遺障害が残ったことによる損害額は、後遺障害が上記16種類のどの等級に該当するのかを判断した後で、等級に応じて損害額を計算するという方法で計算されています。従って、後遺障害が何級に該当するのかによって損害額は劇的に変わります。

<等級を認定する手続>

後遺障害が何級に該当するのかという判断は、通常の交通事故の場合、まずは損害保険料率算出機構という団体が設置している自賠責損害調査事務所が行います。
自賠責調査事務所が等級を判断する手続には、①加害者の任意保険会社が自賠責調査事務所に対して後遺障害の内容を確認する方法(事前認定)と、 ②被害者が自ら自賠責保険会社に対して保険金の請求を行う方法(被害者請求)とがあります。
ここでは詳細な説明は省略しますが、有利な等級を認定してもらうという意味では②の被害者請求の方が優れていますが、一方で手続が煩雑というデメリットがあります。
損害保険料率算出機構が行った判断に不服がある場合、異議申立という手続によって、判断のやり直しを求めることができます。また、理屈上は、異議申立ではなく訴訟で等級を争うことも可能です(但しお薦めはできません。)。

<後遺障害診断書とは>

後遺障害の等級の認定をする際は、事前認定・被害者請求いずれの場合であっても「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」という書式の診断書(後遺障害診断書)を主治医に作成してもらって提出する必要があります。
後遺障害診断書は、後遺障害の等級を認定する資料として極めて重要なものですが、等級を認定するための要件を熟知している医師は少ないため、必要な記載の書き漏らし等が生じる可能性があります。従って、主治医に後遺障害診断書を書いてもらった後は、同書面を保険会社に提出する前に弁護士に見せておいたほうが無難といえます。

④保険会社との交渉

<自賠責保険とは>

自賠責保険は、自動車損害賠償法の第5条によって自動車及び原動機付自転車の運転者に加入が義務付けられている保険で、人身損害のうち最低限の部分を補償するための保険です。従って、自賠責保険では物件損害は補償されませんし、人身損害についても一定限度でしか補償されません。
自賠責保険には支払基準及び支払限度額が設けられており、支払基準は平成13年金融庁国土交通省告示第1号に(自動車損害賠償法の第16条の3の1項)、支払限度額は自動車損害賠償保障法施行令の第2条や別表1,2に定められています。

<任意保険とは>

被害者が自賠責保険の支払限度額を超える損害を被った場合、被害者は、支払限度額を超えた部分の損害を加害者に対して請求することができます。
任意保険とは、加害者が自賠責保険の支払限度額を超える損害賠償義務を負う場合に備えて加入する保険で、自賠責保険の支払対象にならない部分の損害を補償するための保険です。

<一括払とは>

自賠責保険と任意保険は保険者が異なるため、被害者は、自賠責保険会社と任意保険会社それぞれに対して保険金を請求しなければならないのが原則です。しかし、このような取扱いは被害者にとって煩雑です。
そこで、任意保険会社は、任意保険会社が支払うべき保険金額に自賠責保険から支払われるべき保険金額を加えた金額をまとめて被害者に支払うという対応を行っています。このように、任意保険会社が窓口となって任意保険・自賠責保険の双方の保険金を支払うことを一括払(又は一括対応)と呼んでいます。
一括払は任意保険会社のサービスであるため、被害者は一括払の対応を拒むことができますし、例えば症状固定までは一括払に応じて後遺障害の等級は被害者請求で行うという対応をとることもできます。

<任意保険会社の支払基準>

交通事故は事件数が多く事例の蓄積も豊富なため、裁判所が行う損害額の認定についても一定の基準が形成されています。
ところが、任意保険会社は、裁判所が参照する基準よりも低額な支払基準を独自に設けており、皆様が弁護士をつけずに交渉を行った場合、この低額な支払基準に従った支払額を提示してきます。
任意保険会社は、あえて低額な支払額を提示していますので、弁護士がつくことで訴訟提起をされる可能性が出てくると、提示額を増額するケースが非常に多いです。
当事務所では、任意保険会社が具体的な支払額を提示してきた後は、支払額が増額しない限り弁護士費用が発生しないという条件で事件を受任することも可能となっています(増額した賠償額の25%を報酬額とする完全成功報酬制)。任意保険会社から支払額の提示を受けられた方は、是非、当事務所にご相談ください。

2.交通事故事件の弁護士費用
(別途消費税がかかります)

ご契約時にA,Bのうちどちらかをお選びいただくことができます。

【A 通常型】

着手金 0円
報酬金 回収額の10%+10万円
※別途消費税がかかります

【B 差額型】

着手金 0円
報酬金 (回収額-受任前に保険会社が提示した金額)✕25%
※別途消費税がかかります
☎︎ 06(6415)7735
<受付>平日 9:30~22:00

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