綾野法律事務所

遺言書の作成

1.遺言の意味

遺言は、日本語の辞書では死に際にのこす言葉などと説明されています。

しかし、民法が定める遺言は、遺言者が亡くなる何年も前に行える一方で、民法で決められたとおりに作らなければ効果が生じないなど、独自の特徴があります。

ここでは端的に、遺言をする=遺言書という書面を作ることだとイメージして下さい。

2.遺言をすることで何ができるのか?

以下の内容を実現することができます。

  1. 相続紛争の予防
    遺言では、将来、誰がどの遺産を引き継ぐのかを決めることができます。
    このような遺言は、遺産分割方法の指定と呼ばれており、遺言者が亡くなった時点で、相続人らが遺産分割を完了したのと同じ効果を生じさせます。遺言者の死亡と同時に遺産分割が完了してしまうため、相続人らは遺産の分け方で揉める余地がなくなるのです。
  2. お世話になった相続人に遺産を多く渡す
    民法は第900条で各相続人の取り分(法定相続分)を機械的に定めていますので、よくお世話をしてくれた相続人も全く世話をしてくれなかった相続人も、法律上の遺産の取り分は同じです。これを修正する要素として、民法は第904条の2で寄与分の制度を設けていますが、裁判で寄与分を認めてもらうことは容易ではありません。
    この点、遺言では、特定の相続人に多くの遺産を渡すという内容を定めることができますので、お世話になった相続人に確実に恩返しをすることができます。
  3. 嫌いな相続人の取り分を減らす
    上記(2)とは表裏一体の関係にありますが、遺言では、特定の相続人に少しの遺産しか渡さないという内容を決めることもできます。
    ただし、相続人には遺留分権という最低限の権利が保障されているため、取り分を0にすることには様々なリスクが伴います。
  4. 相続人以外の人に遺産を渡す
    遺言では、例えば内縁の配偶者など、相続人以外の人にも遺産を渡すことができます(民法第964条)。

3.公正証書遺言を作りましょう

皆様が遺言をされる際は、基本的に自筆証書遺言(民法第968条)・公正証書遺言(民法第969条)・秘密証書遺言(民法第970条)のいずれかの方式を選ばれることとなりますが、当事務所では、以下の理由から公正証書遺言をされることを強く推奨しています。

<公正証書遺言を選択すべき理由>

  1. 遺言の方式違背(民法第960条)で遺言が無効になる可能性がほぼなくなる。
  2. 公証役場が遺言書を保管してくれるので紛失や偽造のリスクがなくなる。
  3. 検認(民法第1004条)をする必要がない。
  4. 公証人が遺言者の意思を確認して証書を作るため、相続人が「あの人は認知症だったから遺言は無効だ」 と言い出すリスクを減らせる(ただし、必ずそうなるわけではありません)。

遺言公正証書を作成すると、通常、数万円の公証人手数料が発生しますが(資産の額や相続人の数で手数料額は変わります)、上記1~4のメリットにはこれ以上の価値があるといえます。

4.遺言執行者

遺言執行者の説明はQ&A方式で説明いたします。

Q1.遺言執行者って何ですか?

A.遺言の内容を実現するために様々な手続などを行う者です。
例えば、遺言書に「A銀行に対する預金を妻花子に相続させる」と書かれていても、遺言者の死後、自動的にA銀行に対する預金が妻花子名義になるわけではありません。A銀行に対する預金は、誰かがA銀行に対して名義変更の手続を行うことによって初めて妻花子名義になります。遺言執行者とは、このような手続を行う者をいいます。

Q2.遺言執行者は絶対選ばなければならないのですか?

A.いいえ。
ほとんどの遺言の内容は、相続人らによって実現することもできます。ただし、後述するように、遺言執行者がいることにより遺言の執行がスムーズになる場合があります。
例外として、子の認知(戸籍法64条)・相続人の排除(民法第893条),排除の取消(民法第894条)等を遺言で行った場合は遺言執行者が遺言の執行をする必要があります。

Q3.遺言執行者になるのは誰ですか?

A.遺言書の内容によります。
①遺言書の中に遺言執行者の指定がある場合
→指定された人が就任を承諾することにより遺言執行者になります。
未成年者及び破産者は遺言執行者になれませんが(民法第1009条)、相続人が遺言執行者になることもできます。
なお、遺言書で指定された人は、遺言執行者への就任を拒否することもできます。

②遺言書の中に遺言執行者の指定がない場合
→利害関係人の請求により、家庭裁判所が遺言執行者を選びます(民法第1010条)。

Q4.遺言執行者を就けるメリット・デメリットは何ですか?

A.メリット
民法第1013条は、「遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。」と定めています。従って、万が一、相続人が遺言の内容に反する遺産の処分を行ったとしても、遺言執行者がいれば当該行為を絶対的に無効とすることができます。

不動産の「遺贈」が行われた場合、受遺者に対する所有権移転登記手続は他の相続人らと共同で行う必要があり(不動産登記法第60条)、他の相続人からの協力を得られないと容易に登記をすることができません。しかし、遺言執行者がいれば、他の相続人の代わりに遺言執行者が登記手続を行ってくれるため、容易に所有権移転登記をすることができます。
なお、不動産を「相続させる」旨の遺言が行われた場合は、所有権移転登記手続を他の相続人と共同で行う必要はありません。

A.デメリット
遺言執行者は、就任後遅滞なく相続財産の目録を作成して全相続人に交付する必要があります(民法第1011条)。また、民法第1012条2項は委任の条文を一部準用しているため、遺言執行者は相続人との関係で受任者と同等の義務を負います。具体的には、善管注意義務(民法644条)、報告義務(民法第655条)等を負うこととなります。
要するに、遺言執行者に指定された人には一定の負担がかかります。

遺言執行者に対して報酬を支払う必要がある(民法第1018条1項)。

Q5.弁護士を遺言執行者に指定するメリットは何ですか?

A.Q4で述べた煩雑な事務作業は全て弁護士が行うため、相続人に負担をかけずにすみます。
また、遺言の内容を迅速かつ確実に実現することができ、万が一、遺言の執行を妨げる事情が発生した場合にも適切に対応することができます。

5.遺言書作成の弁護士費用

(1)弁護士費用の種類

①遺言書を作成する手数料
弁護士が遺言書完成までの業務を行ったことに対する手数料です

②遺言執行の手数料
弁護士が遺言者の死後に遺言を執行することに対して発生する手数料です
(遺言の中で弁護士を遺言執行者に指定した場合に発生します)

(2)当事務所の弁護士費用

【遺言書の作成】

遺言書を作成する手数料 10万円
※別途消費税がかかります

【遺言の執行】

遺言を執行する手数料 遺言執行の対象財産の額が
2000万円以下の場合30万円
2,000万円~5,000万円の場合1.5%
5,000万円~1億円の場合1%+25万円
1億円~3億円の場合0.8%+45万円
3億円を超える場合0.5%+135万円
※別途消費税がかかります
☎︎ 06(6415)7735
<受付>平日 9:30~22:00

まずはお気軽にお問い合わせください。

Copyrights,©AYANO LAW OFFICE All rights reserved.